レポート | 投稿日: 2018.10.01

仙台市立六郷小学校3年生の児童が海岸防災林の保育・管理活動をしました

仙台市立六郷小学校は東日本大震災の津波被害が大きかった学区にある大規模な小学校で、震災後は3年生の総合学習の時間に「地域の緑化と屋敷林文化を復活させること」をテーマに、地域の緑を守ることを目的とした活動をしているそうで、「海岸防災林再生活動」もその一環として行われています。

そこで 国土緑化推進機構では、宮城県内で被災した海岸防災林の再生活動に参画している「NPO法人宮城県森林インストラクター協会」の協力のもと、児童に海岸防災林再生活動の意義と重要性について体験的活動を通して理解してもらい、海岸防災林を今後自分たちで維持管理していく心を育むことを目的として、7月12日(木)に「次世代を担う子どもたちへの海岸防災林再生啓発イベント」を開催しました。

 

仙台市荒浜北官林除草・保育活動

午前9時に六郷小学校からバスで仙台市荒浜北官林植樹地に向けて出発しました。車内では、6月26日(火)に同じ荒浜北官林植樹地で実施された(公社)宮城県緑化推進委員会主催の植樹活動での体験をもとに、海岸防災林の役割などについての復習をしながら、活動場所へ向かいました。

 

植樹地へ到着し、開会式で当機構担当部長より「みんなが植えた木が将来、災害から地元を守ることになる。まだ先の話かもしれないが、しっかりと海岸防災林を守っていってほしい」と児童へ海岸防災林再生への思いをお伝えしたあと、活動が開始されました。児童はクラスごとに分かれ、インストラクター協会の指導スタッフから除草の方法を習い、実際に活動を行っていきます。

開会式の様子

開会式の様子

 

手や移植ベラを使った除草は、場所によっては根の深い草や実生の木に苦労し、児童は一本のクロマツ苗の周りを除草するために2~3名で協力しながら行っていました。雑草が多いエリアでは、写真のようにバケツからあふれんばかりの雑草を取り除き、埋もれていた苗木を助け出すことができました。

除草活動開始!

除草活動開始!

 

バケツいっぱいになった雑草

バケツいっぱいになった雑草

 

海岸公園冒険広場での活動

除草活動後は「海岸公園冒険広場」に場所を移し、活動を行いました。活動日の少し前にオープンした場所ということもあり、児童も訪れたことがない場所らしく、着く前から興味津々の様子でした。

到着後、冒険広場の指定管理を行っている団体「(特認)冒険あそび場-せんだい・みやぎネットワーク」の根本暁生氏よりご挨拶をいただきました。根本氏からは被災前の航空写真などを見せていただきながら、東日本大震災で発生した津波が、荒浜地区にどれほどの被害をもたらしたのかを分かりやすく説明していただきました。

根本氏の説明を熱心に聞く児童たち

根本氏の説明を熱心に聞く児童たち

 

また、宮城県森林インストラクター協会の木村健太郎氏からは、駐車場から植樹地全体を見回しつつ、植樹地に造られている盛土の役割の説明を受けたり、冒険広場に展示されている震災の時に津波で流されたクロマツを見ながら「なぜこのクロマツは流されてしまったのか」について説明していただきました。

木村氏から盛土の役割について説明を受ける様子

木村氏から盛土の役割について説明を受けている様子

 

まつ

冒険広場に展示されている被災したクロマツ

 

見学や学習が終わった後の自由時間には、児童に冒険広場で自由に遊んでもらうことにしました。子どもたちの感性を大切にしたいとのことで、施設内には滑り台などの遊具の他に、写真のような巨大トランポリンや虫捕りができるエリアや、深い穴も掘れるかなり広い砂場などがあり、児童にとって好奇心をくすぐられる場所だったようです。

冒険広場で元気に遊ぶ児童

冒険広場で元気に遊ぶ児童

 

海岸防災林の保育と地域の緑化についてのまとめ

午後からは学校に戻り、海岸防災林の保育と地域の緑化についてのまとめを行いました。

授業の中では『東北「海岸林」ものがたり』を活用しながら、「なぜクロマツを植えるのか」、「なぜ盛土を行っているのか」、「これからどんなことをしていく必要があるのか」といった視点から、海岸防災林への理解を深めました。

かいがんりん

学校に戻り、活動の振り返り

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今回の活動は、これまで多く行われてきた植樹ではなく、保育・管理に重点を置く活動となりました。これからの保育・管理や、海岸防災林再生活動の普及啓発には、子どもたちをはじめとする若い世代の参加は必要不可欠です。海岸防災林再生活動に積極的に関わってもらうための環境や意識づくりを続けていく必要があると改めて認識しました。