レポート | 投稿日: 2017.03.31

釜石・大槌地区プレ植樹祭in根浜 −海岸林再生の集い– を開催しました

趣旨

岩手県釜石地区において復興や海岸林の植栽基盤整備が進む中で、被災地の地元住民の皆さんと県、市等行政機関、NPOが、失われた海岸林の再生や被災を逃れた海岸林の保全活動に向けて本格的話し合いを昨年よりスタートし、その後も会合を重ねました。

その結果、この活動を地域の合意形成に繋げていき、実際の海岸林再生保全活動につなげていく動きが始まりました。この先導的動きを県内に広く普及されることを期待しつつ、2017年3月20日(月・春分の日)に『釜石・大槌地区プレ植樹祭in根浜−海岸林再生の集い–』を根浜の宝来館をお借りして開催しました。当日は快晴かつ暖かい日和でイベントを天が見守っているようでした。

イベントの概要

幅広い方々が参加

地元の関係者、幼児、児童たちとその親御さん、岩手県立大の学生、県の担当者、釜石森林組合高橋参事など40名の方々が参加されました。
犠牲者の方々に哀悼の意を表して鎮魂の鐘の音が静寂の中で厳かに響きわたる中で黙祷をし、室内でのイベントに移りました。

地域の代表者から心強い挨拶

地元の事務局長・佐々木雄治氏からは「見事な松林を再生させていきましょう」と心強い挨拶がありました。
実行副委員長の佐々木虎男氏からは「育ててきたハマボウフウなどの海浜植物も復活させていきましょう」とのことでした。
これから地元の力で確実に海岸林が再生されることを確信できる挨拶でした。

紙芝居による説明

国土緑化推進機構から『東北海岸林ものがたり』紙芝居を披露して、子どもたちはじめ参加者に海岸林の基礎知識を改めて学んでもらいました。

海岸林植生に専門家からの指導

ポット苗の作り方について、地元で集めた種子を保存してくれた岩手県立大の島田准教授から説明しました。また、根浜海岸の被災状況や現在の植生についても報告がありました。
海岸植生の専門家でもあり頼もしい応援団でもあります。

島田先生が資料を使って解り易く海岸の状況などについて説明

島田先生が資料を使って解り易く海岸の状況などについて説明

 

屋外活動

室内での島田先生の説明を終え、その後外に出ました。
砂浜でポットの下に敷く小石や砂を海岸で拾い集め、ポットに入れることからスタートしました。

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子どもたちとその保護者なども参加し、培養土をポットに入れてから最後にクロマツ、ハマナス、ハマボウフウ種子の播種をしました。
ポットは合わせて600個を越えましたが、1年間大切に育てて、来年は海岸の植樹に使うことになります。

この写真はハマナスの種子を播いたポットです。この画は岩手県立大の学生さんが書いてくれました。子どもたちが家に持ち帰り、あるいは有志の方が間とめて管理し、または宝来館の北側で育て、来年本格植栽の時にこの場所に持ち寄って全員(苗木など)集合することを期待している。

この写真はハマナスの種子を播いたポットです。この画は岩手県立大の学生さんが書いてくれました。子どもたちが家に持ち帰り、あるいは有志の方が間とめて管理し、または宝来館の北側で育て、来年本格植栽の時にこの場所に持ち寄って全員(苗木など)集合できることを期待している。

また、海岸で自然に生えたマツの子ども(苗木)を、現地にて地元有志が簡易な育成箇所をつくり育てていました。高橋参事の指導の下、これを掘り起こして疎林となっているところに、育成試験も兼ねて地元の方が記念の植樹をしました。県の担当者がテープを巻いて成長の記録をとる段取りをしていました。元気に育つことが確実な立派な苗木でした。

地元の方が育てた苗木を掘り起こして植栽箇所に運んでいるところ

地元の方が育てた苗木を掘り起こして植栽箇所に運んでいるところ

 

最後に

ポット苗作りや少しだけの試験植樹が終わり、環境パートナーシップいわての代表である野澤氏から「来年の植樹に向けてまた皆さんに集まっていただき、更に絆を広げていけるよう頑張り、貴重な宝を次世代に引き継ぎましょう」との閉会の辞で締めくくりました。その後に記念写真を撮って解散となりました。

日が暮れつつありますが、とても心温かくなる記念写真です

日が暮れつつありますが、とても心温かくなる記念写真です

宝来館の岩崎女将は「時間ともに海岸林再生の活動に広がりでてきてうれしくもあり、また驚いている。皆様の支援のおかげです。」とニコニコしながら話していました。この海岸の裏にある小さな尾根を登ると、ラグビーワールドカップ2019の試合が計画されている会場が眼下に眺められます。この小さな地元の取組が、大きなうねりとなって2019の大会に繋がる活動に昇華していければ…と思わずにはいられない気持ちになりました。

なお、このイベントは、岩手日報にも掲載されました。

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