レポート | 投稿日: 2016.12.28

「エコプロダクツ2016~環境とエネルギーの未来展」で海岸林復興関係の展示~日本最大級の環境展示会~

12月8日~10日の3日間にわたり、東京ビッグサイトで「エコプロダクツ2016」が開催され、来場者数は16万7千人でした。

会場内の「森林からはじまるエコライフ展2016」エリア内に、「東北復興と海岸林再生(国土緑化推進機構・緑の募金)」のコーナーを設け、宮城県南部の沿岸地域の海岸林再生プランのジオラマ、抵抗性クロマツの実物、魚を象った「木製お魚ちゃん」、海岸林再生の状況、民間参加の事例紹介等関連パネルの展示等をしました。

2016122801

ジオラマは宮城県内の小学生が、こんな緑や海岸林を再生したいとの思いを込めて制作したものです。

2016122802

2016122803

多くの見学者が来ました

環境学習のために来場した小中学生、環境関係を専攻している大学生、東北に関わりのある企業の方、海岸林再生に取り組むNPOなど、多くの方と交流を図ることができ、また、東北海岸林の状況についての理解を深めていただくとともに、復興に向けての意見交換もできた有意義な3日間でした。

2016122804

2016122805

2016122806

3日間の展示会を通じた感想など

東日本大震災から5年余りが過ぎて

ノートを片手にグループ学習に来た小学生からは、なぜマツを植えるのか?海岸林を造成した理由は?なぜ盛土するのか?矢継ぎ早に質問を受けました。

一方で、小学4年のグループは、東日本大震災と津波について曖昧で、当時の写真等見てようやく思い出していました。「風化」という言葉が思わず頭に浮かびました。

魚は詳しいが、森林のことは意外に知らない?

木製お魚ちゃんを釣りながら、カレイ、ヒラメ、フグ、ブリなど次から次に言い当てる園児、小学校低学年生。魚への造詣の深さに思わず驚愕。家でヒラメを食べていないので、幼稚園で教えてもらっているのかと訝るお母さんもいました。

ところが、クロマツを見せて「これ何の木?」と尋ねると、残念ながら「マツ」と答えられる子どもたちは極めて少数でした。
また、お父さん、お母さんにマツ食い虫による松枯れを聞いても、意外に知らない方が多かったです。

「根性クロマツ」の講義

このことから、以下のような内容を説明しました。

マツは、痩せた砂地が好きではないが、環境が良い場所では、陽樹のクロマツは他の樹種との生存競争に勝てない。海岸は潮風、乾燥、砂地で土地がやせているので他の植物は嫌う。クロマツはこうした過酷な環境の下で、逆境にめげず頑張って仲間たちと生きている。それゆえクロマツは海岸に多い樹種となった。

展示してあるクロマツの針葉に触れ、チクリとする感触を体感してもらい、この堅さが潮風にも負けず、乾燥にも負けない丈夫な体の源でることを説明しました。

次に、マツ枯れの仕組みと抵抗性マツの育種について、身近な例を挙げつつ、運び屋マツクイ虫と線虫の関係や、育種苗生産においては集団レベルアップと検定による実力の確認の流れと理屈を説明しました。

最後に、マツの年齢の数え方は、節(枝別れ)の数を数えればよいことを説明して、マツは歳もごまかせない正直者であることを最後に添えて、学習は終了しました。

楽しみがあるから続くボランティア活動

気仙沼で河川周辺に植樹など幅広くボランティア活動をする東京のIT企業職員50代の方は、「海岸の植樹も関心あるので、この展示をみている」とのこと。樹種選定の意見交換をした後に、「現地に出かける際には自己負担の場合も多いが、地元の漁師さんから提供される魚が旨いので、これも楽しみの一つである。絆ができ、自分にとってはライフワークである。楽しみがあるから継続しているのであって、社会貢献しているとかの想いはそれほど大きな動議付けになっていない」と笑いながら、自然体で話をしていました。

大学生も大きな関心を寄せる

K大学の環境系の学部生数名は、「大学の勉強・研究の範囲が広すぎて、学習・研究対象が絞れていないので思案中だが、海岸林再生をテーマの一つとして検討している」とのこと。可能ならば樹種選定から植樹の方法、更には地域との協働などの仕組みも検討し、その設計を行うなど自らが主体的に参加することにより、実学を学ぶ機会にもなることなどを提案しました。

これからが海岸林植栽の本番だが

仙台湾のジオラマを使って、震災当時のテレビ放映された痛々しい映像と重なる話を大人の方に説明すると皆思い出しているようでしたが、復興の状況について話をすると、「まだまだなのね」と言う反応が多くありました。5年余が過ぎ、これからが真に復興創造に向けて、絆や助け合いが求められているような気がしました。

緑の募金への協力のお礼

展示箇所に募金箱を設置いたしましたが、皆様の温かいお心遣いで、復興支援(東日本大震災・熊本地震)使途限定募金35,751円が集まりました。大切に使わせていただきます。ありがとうございました。