レポート | 投稿日: 2016.09.30

7月2日~3日、宮城県で日本緑化工学会との共催行事「海岸林再生の取組みとこれから」を開催しました

現在、民間参画による海岸防災林の植樹活動が広く展開されていく中で、活動現場において様々な技術的課題に直面し、その度、創意工夫しながら対応している状況です。一方、研究分野においても、様々な知見が集積されてきているところです。

こうした状況を踏まえ、再生活動をする民間参画団体と研究者などが、現場の課題及びその対応策などについて、現場視察や課題及び対応方法についての発表、意見交換を通じて情報の共有化を促進し、民間参画による確実な海岸防災林再生の展開が図られることを目的に、「海岸林再生の取組みとこれから」をテーマとして、初日に現地見学会、2日目に討論会を開催しました。

現地見学会(7月2日・土曜日)

民間団体による海岸防災林植栽地へ向かいました。ここは、平成27年度~28年度に宮城県と協定を締結した箇所です。

宮城県 山元町(山寺地区)の地図はこちら

広葉樹の植栽も進められており、広葉樹やクロマツの生育状況、潮風や蔵王おろしによる塩害、風害、盛土や排水の問題点等について、協定締結団体でもあるNPO法人宮城県森林インストラクター協会の海岸林再生担当の高梨氏より説明がありました。ここは、排水溝とマウンド作りをして、水対策を講じたとのことでした。

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排水の問題については活発な意見交換がなされましたが、この箇所は、陸側は農地で、海側の防潮堤までの距離も短いため、海側への排水も難しいことから、植栽地内で排水処理を自己完結することが基本であったとのことでした。NPO等の参加者も、こうした事情があったことを初めて知り、納得していました。

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また、雑草の繁茂の問題が確認されました。この原因としては、客土、バーク堆肥等に紛れ込んだ種子による雑草の発芽繁茂と、盛土法面等から這い上がるようにクズやニセアカシアが侵入していることによると思われます。

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その後、次の視察地である岩沼市寺島地区へ移動しました。

宮城県 岩沼市(寺島地区)の地図はこちら

この箇所は、林野庁が、クロマツや広葉樹等多様な植栽樹種を多様な方法によって森林造成を行い、「強く豊かな海岸防災林」に求められる機能の発揮状況などを検証することを目的にした実証試験の植栽地です。参加者の中には、平成26年5月25日に実施された植樹式にて植樹活動された方もいましたが、この2年間余の生育状況を細かく確認していました。

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その後、実証試験地の北側にある宮城県の協定地内を歩いて視察した後、バスで移動し、岩沼市の震災復興のシンボルである「千年希望の丘」へ向かいました。

宮城県 岩沼市(千年希望の丘)の上空写真はこちら

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第1号丘の上から現地の様子についての簡単に説明があった後、防潮堤を目指し移動しました。この防潮堤の一部は、法面に客土をして植栽した「緑の防潮堤」(国土交通省施工)となっています。
海岸林造成地までの間においては、まだ整備がされていないエリアがありました。ここでは、津波で抉られた地面がむき出しのままとなっている箇所、残ったマツの下に天然更新している箇所、ススキやササに覆われている箇所など様々な自然状況が見られましたが、なぜそうなったかがわかると、海岸林への知識が深まると思いました。

また、防潮堤やその直近の海岸林では、広葉樹などの試験植栽の生育状況が観察でき、興味深いものでした。詳細のコメントは写真に記載してあります。

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以上で初日の現地見学会は終了しました。