レポート | 投稿日: 2016.05.20

未来への植樹祭~海岸林再生への一歩~を岩手県野田村で3月12日に開催しました。

野田村には、岩手県内では高田松原(陸前高田市)に次いで、広い面積(12ha)の前浜の海岸林などがありましたが、東日本大震災により壊滅的な被害を受けました。この再生に向けて、 県が行っている防潮堤の工事が概ね完了しつつあり、今後海岸林植栽基盤整備の盛土工事が急ピッチで進められ、本格的な植樹は平成29年度になるとのことです。

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一方、地元住民の有志が、寄付活動などを通じて地元住民への海岸林再生への協力を呼びかけています。
こうした状況の中で、近未来の海岸林の植樹再生活動に向け、地域の活動をより活性化する契機とするプレイベントとして、「未来への植樹祭~海岸林再生への一歩~」を「のだ千年の松」と共同で開催しました。

この開催日の設定に当たっては、東日本大震災から5年が経過した3・11で区切りをつけ、翌日の3月12日からは「本格復興に向けての新たなスタート」との思いを村民で共有できることを考慮しました。また、植樹箇所のワイナリー施設は、海の見える高台に位置し、野田村復興のシンボルの一つでもあることから決定されました。

植樹式の開催に当たり、地元住民はもとより、広く県内外にも海岸林再生の重要性と活動への協力を呼び掛ける発信の場になるよう、第2部では「のだ千年の松」が主催するイベントが設定されました。この結果、植樹イベントに加え、名古屋から駆け付けてくれた茜谷さんたちのバンド演奏、餅まき、炊き出しなど多様な催しとなりました。参加者は、村内はもとより北海道から南は九州から来ていただき、予想を超える350名余となり、子供たちも多く来てくれました。

岩手北部の海岸は3月中旬とは言え、まだ春の訪れは遠く、少し強い風が吹くと身をすくめる寒さでしたが、天気に恵まれ、青空が未来への植樹祭を祝福してくれました。

司会者の開会宣言に続き まずは「神楽」

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野田村では、めでたい時にはまずは神楽が舞います。自然や神に対する畏敬の念を示すとのことでした。

式典開始

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国土緑化推進機構 梶谷専務から、主催者を代表して開会の挨拶を行いました。

「岩手県におきまして、今後団体の方々、県の皆様などが協力して本格的な再生に向けて取り組んでいただければというふうに考えているところであります。この植樹式が、海岸林再生、そして地域復興のシンボル的な取組みとなって岩手県各地で、そして他の県にも大きく広がっていくと祈念申し上げます。」

 

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続いて、来賓挨拶として盛岡市から来ていただいた 岩手県森林保全課総括課長 伊藤節夫氏が「野田村におきましては野田前浜地区と米田地区と2つの海岸林の再生を進めることにしており、再生にあたりましては地域の方々に愛される海岸林になるよう地域の方々のご意見を十分に伺いながら丁寧に再生したいと考えているところでございます。植栽した木が大きくなるまでは30年、あるいは40年と長い時間を費やすことになりますので海岸林の再生にあたりましては地域の皆さんのご協力、ご理解が何よりも重要だと考えておりますので引き続きのご支援をお願いしたいと思います。」旨挨拶されました。この挨拶を聞いて地元の方々が県と協力して海岸林再生を進められていくことを確信しました。

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野田村の海岸にもう一度松林をとの想いから有志によって結成された「のだ千年の松」代表の坂本久美子氏から、「かつて野田村には約1万本の黒松防潮林が海岸を飾ってくれました。その姿は国土緑化推進機構のパンフレットにもあります緑の晴れ着そのものでした。美しい松林は村民の心を癒すだけでなく、東日本大震災では村を守ってもくれました。野田村を築いてきた先人達のように、平成28年3月12日の未来への植樹祭が復興のシンボルとなるワイナリーとともに、いつの日か子供達に夢と希望を与えてくれる、語り継がれる一歩になってくれることを夢に、光に向かって進んで行きます。今日この日を楽しみに支えて下さった大勢の方々への感謝とこれからもどうぞ共に歩いて下さいのお願いをしまして、のだ千年の松からのメッセージとさせて頂きます。」と素敵な発信がなされました。

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軍手、カイロ、移植ゴテを提供いただいたDCMホーマック株式会社からは、遠路札幌から来られた西出和彦氏から、「総勢29名でやる気満々で植樹祭に参加させて頂きました。このイベントを機に、どんどん海岸林が再生していけたらなというふうに思っております。私達も出来るだけ長く皆さんと一緒にこの植樹活動を続けていけたらと思っております。」との応援メッセージをいただきました。

 

 

その後、国土緑化推進機構担当者から、子どもたちを対象にした紙芝居により、潮風などから農作物を守る海岸林の説明をし、最後に都会の人、会社の人、地元の人などが手をつなぎ海岸林再生に取組むことの意義、大切さを強調して締めました。蛇足ですが、終了後に地元の男性から、「子ども向けだが、俺が聞いても面白かったよ」と声をかけられ、これから紙芝居の取組を充実したいとの想いを強くしました。2016031207

中学校の卒業式を終え、駆けつけていただいた小田裕士野田村村長と梶谷専務が登壇し、梶谷専務からワイナリーのおける苗木の植栽及び植樹箇所の環境整備などの事業について、緑の募金 東日本大震災復興事業として支援することを村長に伝えました。

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小田村長から、「本村は甚大な被害を受け約1万本といわれておりました黒松の防潮林、これは津波の勢いを軽減する役割を果たしながらも皆倒れて流れてしまった。今はあの黒松林がすっかり無くなりまた。我々が子供の頃から見ていた風景がすっかりと変わってしまいました。この防潮林は津波、高潮、潮風などを防ぐものでありますけども、この地域におきましては「やませ」を防ぐ大きな役割も果たしております。この防潮林が無くなって感じるのは少し海が時化ると我々の住んでいた地域に潮風というか、波が霧になって押し寄せて来ます。置いているものもベタベタとなってしまいます。それぐらいこの防潮林というのが野田村にとって重要であったというのを改めて感じているところでございます。またこの防潮林は住民の憩いの場でもありました。散歩をする人、そしてパークゴルフをする人等々、色んな役割を果たしておりました。その防潮林の再生のために関係機関団体とこれから連携をしながら頑張っていきたいと考えているところであります。」と海岸林の役割を実体験に基づいて説得力のある挨拶をいただきました。

植樹の開始

DCMホーマック株式会社の清田氏から簡単な植樹の指導の後に、ワイナリーの斜面にマツを植えました。野田村産ホタテの貝殻に名前を入れて苗木の横に添える工夫をしました。
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ここで第1部は終了です。

第2部は「復興スタート 村民の集い」と題し,のだ千年の松の主催で行われました。おにぎり、炊き出し、山ブドウ酒、(地元の被災者、ワイナリー関係者の協力による)などで腹ごしらえしてから、野田村を支援する名古屋で活動する演奏グループ、地元演奏グループ等のライブ、福岡県から久留米ツツジを届けつつ、コラボによるゴスペルの披露など、賑やかに場を盛り上げていました。
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編集後記

クロマツ、アカマツを植樹しましたが、参加者が多く苗木の本数が少なかったため、やる気満々の参加者は物足りなさそうでした。ワイナリーの敷地の植栽箇所の制約や広葉樹の植栽時期として早いことなどからマツに限定したためでした。海岸林再生の本番のために、そのエネルギーを温存しておいてください。