第11回

伊丹貫一さん(宮城県七ヶ浜町)/菖蒲田浜代表区長、阿部三男さん(宮城県七ヶ浜町)/菖蒲田浜区長、伊丹はるのさん(宮城県七ヶ浜町)/菖蒲田浜婦人会、渡辺カツ子さん(宮城県七ヶ浜町)/菖蒲田浜婦人会

東日本大震災の被災者の方々が海岸林の再生に動き出す

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東北・北海道地域の市町村の中で面積最小の町、三方が海に囲まれる。

宮城県七ヶ浜町は、仙台市の東に位置し、湊浜(みなとはま)、松ヶ浜(まつがはま)、菖蒲田浜(しょうぶたはま)、花渕浜(はなぶちはま)、吉田浜(よしだはま)、代ヶ崎浜(よがさきはま)、東宮浜(とうぐうはま)の七つの浜が統合して生まれたことが町名の由来です。東北・北海道の市町村で最も面積の小さい市町村で、人口は、約19,000人です。地形は、三方を海に囲まれた半島状の丘陵地で、海岸線沿いには、いたるところに高台、岬、断崖が見られ、長い砂浜と複雑な入り江が美しい景観をなし、海岸部は特別名勝松島*の指定地域となっています。

震災による大きな被害からの復興へ

平成23年3月11日の東日本大震災では、最大12.1mという大津波により、町の36.4%が浸水し、多くの住宅が流出・崩壊の被害に遭いました。町では、平成23年4月に震災復興基本方針を策定し、着々と復興の歩みを進めています。平成28年2月現在、5地区の高台住宅団地造成が既に完了し、住宅が再建されてきています。また、災害公営住宅も5地区の工事がほぼ完了し、そのうち3地区については、入居が始まっています。
七ヶ浜町の海岸防災林は、津波により民有林約6haと国有林約5haが壊滅的な被害を受けました。海水浴客で賑わう菖蒲田浜海水浴場に隣接した国有林は、震災から5年経った現在、津波に水没しても枯れなかったマツの若木と生き残った僅かな成木が見られるだけで、かつての生い茂った松林の面影はありません。現在海岸林再生のための準備が進められており、マツが残らなかった個所の耕転と防風柵の設置が進められています。一方、民有林も植樹のための基盤整備が進められています。

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海岸林再生に立ち上がる被災住民に聞く

菖蒲田浜地区では、県が整備した植樹地(町有林)の一部に、地区住民が主体となって海岸林を再生する計画が進められています。計画の中心メンバーである菖蒲田浜代表区長・伊丹貫一さん、菖蒲田浜区長・阿部三男さん、菖蒲田浜婦人会・伊丹はるのさんと渡辺カツ子さんの4名に、新しく整備した菖蒲田浜避難所に集まっていただきました。なお4名とも自宅が津波の被害に遭いました。伊丹貫一さんと阿部三男さんは、菖蒲田浜地区に建設された災害公営住宅に入居されました。七ヶ浜町の災害公営住宅は、入居者の高齢化率が高いので、入居者同士が見守り、支え合うリビングアクセス式で建築されています。また渡辺カツ子さんは息子さんと同居し、伊丹はるのさんは、笹山地区の高台に自宅を再建しました。

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* 特別名勝松島:文化財保護法に基づいて国が指定。特別名勝は松島を含め36件が指定されています。