NPOレポート | 投稿日: 2015.12.03

NPO活動レポート 第1回 「わたりグリーンベルトプロジェクト」を再び訪ねて

これまでの取組

当サイトの連載記事「海岸林と地域の暮らし」第2回に掲載しました「わたりグリーンベルトプロジェクト」が、平成27年2月にNPO法人化し責任体制を整えました。また3月には、宮城県、亘理町と「わたりグリーンベルトプロジェクト」で亘理の海岸防災林8haを対象に“みやぎ海岸林再生みんなの森林づくり活動”協定を締結し、この膨大な面積を対象に計画的に植栽等を進めていくことになりました。

今回は、わたりグリーンベルトプロジェクト代表である嘉藤一夫氏にお話しを伺ったので報告します。

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嘉藤氏は盛岡市出身で、奥様が亘理町出身である縁でここに居を構えることになったとのことです。仙台で会社員勤めを終えて、退職してからわたりグリーンベルトプロジェクトの活動にも参加することになりました。もう一人の代表である片岡義隆氏と二人三脚で活動を推進することになります。

震災直後、地元及び町外の専門家などの意見も聞きつつ、東京の生態計画研究所の協力を得ながら海岸林再生のマスタープランが制作され、復興のイメージ、目標が見えてきた。これが原点です。

まずは平成23年に苗木作りから始めました。しかし、海岸林地帯は復興工事に追われ、植栽する箇所もありませんでした。そこで、津波高が7m程度で、海岸林が一部残った町の北部の海岸林伐採等と併せて補植などもしました。作業箇所は町有林で、以前は町も補助して管理作業をしましたが、その後、手入れも不十分だったので、ニセアカシア(ハリエンジュ)が繁茂していたのに驚きました。当時は下刈り、伐採等の作業は、地元の海岸林の管理組合が実施していましたが、今回の震災により組合も解散し、海岸から離れたエリアに居住する者も増えたので、海岸林と地元を結びつける努力が欠かせないとの想いをひしひしと感じました。

町民による町民のための海岸林再生を実現するためには、実施体制づくりも欠かせないということです。「わたりグリーンベルトプロジェクト」の組織体制の整備は平成12年に行いました。これにより海岸林の伐採等の作業は、地元の退職者と企業などのボランティアツアーなどで対応しています。また、企業、一般の方などが参加する場合には、指導やコーディネートも実施し、費用負担をお願いしている場合もあります。
震災直後から支援に来てくれた企業、NPOなどとの繋がり、絆ができたので、こうしたところから支援してもらっています。

町民共通の海岸林再生の課題

①資金等の支援

2月にNPO法人化し、平成28年から海岸林植栽を本格化していく予定です。また、経理や、遠方からの企業、NPO等の受け入れなどをするツーリズム等の業務実施体制も整備しました。今後、海岸林再生活動資金の確保に向け、企業等への参加の呼びかけ、行政機関等の協力要請に力入れていきます。また、イチゴ栽培など農業分野も組み入れ、資金力をつけていかなければならないと思っています。

②町民の輪を広げる

町内でも被災地区と非被災地区では海岸林に対する思いも異なる傾向が見受けられます。また、区長や住民によっては、海岸林再生は県、国が実施するもので、自分たちが直接係わらなくても良いのではという考えの方もおられるので、町民総参画の雰囲気の醸成も、重要な活動である。

こうしたことを考慮して、今年は協定締結1年目ということで、6月14日に植樹イベントをしました。県からの連絡で植栽可能箇所が判明して慌てて段取りをしたが、参加者80名、面積0.5ha、コナラ、ヤマザクラ、モミジ、クロマツ(120本)など1,064本植えることができました。
また、9月13日には町長に参加をお願いして、「秋の植樹祭」を亘理町東部沿岸の盛土した町有林エリアで実施しました。当日は町内外のボランティア、クラブツーリズムや企業団体のボランティアの方々とスタッフで、約160名の方々が参加しました。齋藤町長の植樹式の後、参加者が、海側にはクロマツを中心にした針葉樹、西側にはツバキ、中間にはコナラ、ヤマザクラ、エドヒガン、マサキ等の広葉樹など1,372本を、“元気に育て!”との思いを胸に植樹しました。

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こうした取組を通じて、町民の関心と支援の輪が広がることを期待しています。

③6万本の苗木の管理

苗木も地元の植木屋さんの協力の下に6万本育苗しているが、植栽の地の確保ができなかったので大苗も増え、その活用が大変です。樹種はコナラ、ヤマザクラ、モミジ、シロダモ、クロマツ、ツバキなど多種で、大きくしない養苗方法を導入しないといけないと思っています。また、育苗に当たり関係者に多大な負担をかけているので、その対応もあります。

以上のように課題は多いですが、これからが正念場であり、また活動が本格化するので、地元の住民の方々はもとより都市部の企業、NPO等との協働連携の仕組みづくりや、活動への参加の機会を増やしたいと考えています。また、活動に参加をしたくなるような内容の情報発信も重要であり、仲間たちと共に頑張っていきたいと思います。

◆わたりグリーンベルトプロジェクト ホームページ
http://www.watari-grb.org/