レポート | 投稿日: 2015.03.23

3月14日(土) 自然体験イベント「親子でかんがえる海岸防災林再生プラン」を開催しました。

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宮城県において、国土緑化推進機構と宮城県森林インストラクター協会の共催で、自然体験イベント「親子でかんがえる海岸防災林再生プラン」を開催しました。一般募集した地元の小学生、利府町みどりの少年団を中心に、児童・保護者あわせて約40名にご参加いただきました。

全体の流れは、七ヶ浜町の海岸防災林で、生き残ったマツ・流されたマツなど海岸林の状況を見学し、地元の方々の被災当時の話を聞くことで震災についてより深く学び、それを踏まえて子どもたちが思う将来の宮城の海岸林などをジオラマで表現するイベントです。この企画は、子どもたちに海岸林の歴史やその果たす役割、海岸防災林の復興再生方法などを分かり易く教える教材の準備を含め、子どもたちへの普及啓発の方法、言い換えれば次代を担う子どもたちに、海岸林の重要性について考えてもらう契機とするもので、ある意味試行的な取組でもありました。

七ヶ浜町では古くから、海岸に強いクロマツなどが植林され、飛砂や塩害・高潮を防ぐ役割を果たしてきました。しかし、東日本大震災の津波によって、町の4分の1が浸水し、海岸防災林も大部分が失われてしまいました。七ヶ浜町が復興していく上で、海岸防災林の再生は必要不可欠です。

まず初めに、七ヶ浜菖蒲田地区にある諏訪神社を訪れました。諏訪神社は、地元の鎮守神として古くから親しまれていますが、津波によって鳥居が損壊するなどの被害を受けました。また、七ヶ浜町では、震災でライフラインが破壊されたことから、今後の災害時に備えて各地で簡易井戸の設置が進められており、諏訪神社でも簡易井戸を掘削中です。今回、子どもたちはボランティアとして井戸掘りに協力。その後、本殿にお参りして、地域の復興を祈願しました。

つづいて、菖蒲田浜の海岸防災林を見学しました。

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震災前に比べるとクロマツ林はまばらで、いまだ津波被害の跡が生々しく残っており、海岸防災林の再生が急務であることが強く感じられました。しかしそのような中でも、土地の高いところにあったクロマツは、根を地中深くのばしていたことから、津波に負けず生き残っていました。子どもたちは、その様子を見て、自然の力強さを感じているようでした。そして、このような津波に強いクロマツを増やしていくには、少し小高い所に残っていたマツを見学するなどして、根を下方向に張るためにも盛土をするなどした箇所に植林活動が必要であるということを学びました。

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海岸防災林を見学した後は、七ヶ浜国際村で地元の方々からお話を聞きました。宮城県森林インストラクター協会の木村さんから海岸防災林について教材を使った講義の後に、七ヶ浜町議会議員の渡邉さんから「七ヶ浜町の復興プラン」について、そして諏訪神社の神主さんからは震災時の状況について、それぞれ貴重な話を聞くことができました。実際に現地を見た後とあって、子どもたちは熱心に耳を傾けていました。

その後、七ヶ浜中央公民館に移って、地元の方々を交えた昼食会。地元の方々から特産品ののり汁が振る舞われました。地元でしか味わえない磯の香り漂うのり汁に、みな舌鼓を打ち、進んでおかわりをしていました。

昼食後には、地元の方々との質疑応答があり、子どもたちからはたくさんの質問が出ました。海岸防災林の現状を見たことで、復興への思いを新たにするとともに、知的好奇心も掻き立てられたようです。特に「津波高が10m超えなのに防潮堤は7m程度とした理由は?」など厳しい質問もありました。

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その後、名取市の海岸まで一望できる展望台から遠望し、ジオラマづくりの想像力をかりたてた後に県民の森 青少年の森へ戻り、メインイベントであるジオラマづくりをしました。

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子どもたちは海岸防災林の再生と復興を願いながら、ジオラマに一本一本マツや広葉樹などを植樹。また、マツだけでなく、桜などを植えたり、お花畑を作ったり、海に船を浮かべたりと、子どもたちの自由な発想で「こんな宮城の海岸林にしたい!」という思いを表現しました。作成したジオラマは青少年の森に展示される予定です。

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宮城の海岸林ジオラマを完成させた後に、今度は子どもたち一人ひとりにカラー粘土、折り紙や樹木の幹になる串、針葉樹の樹形にもなる資材、魚の模型などで海岸林再生のミニジオラマを作ってもらいました。子どもならではの自由な発想で、展示用のジオラマとはまた違った魅力のある作品ができ上がりました。多くの子どもたちは、海岸線に防潮堤をしのぐであろう高さの盛土をしてマツなどを植栽していました。学習の成果でもありますが、津波の怖さが心に深く刻み込まれているのではないかと感じました。

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最後に子どもたちに、メッセージボードに海岸防災林再生への思いを書いた樹木のカードを貼ってもらいました。このパネルには、先に岩手県の方々にも思いを書いていただいており、今後は他の県などの方々にも書いてもらう予定です。県を超えて、震災復興への思い、海岸防災林再生への思いが込められた、まさに「絆」を表現したパネルにしていければと考えています。