レポート | 投稿日: 2014.07.15

5月22日、宮城県名取市下増田地区で、「東北復興・海岸林再生記念植樹祭2014」が開催されました。

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「国際生物多様性の日」の5月22日、宮城県名取市下増田地区の台林国有林で、「東北復興・海岸林再生記念植樹2014 」が行われました。同時に「プロ野球の森 in 宮城・名取」制定記念植樹祭も開催され、市内の高校野球部員、大学生、ボランティアの皆さんが抵抗性クロマツなどの苗木970本を丁寧に植えました。

前日の大雨で地盤がぬかるむ中、大勢の人が参加しました。開会式では、公益社団法人国土緑化推進機構の谷福丸副理事長が、5月22日の現地時間午前10時に世界各地で植樹することで「みどりの波」が東から西に広がる「グリーンウェイブ」(*)の一環として、本年度の海岸林再生記念植樹を行う意義を説明しました。

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日本野球機構の磯村信哉事務局次長は、同機構が2008年から取り組んでいる、グリーンのリストバンドの売り上げ等を活用して各地の森で植樹等を行う「プロ野球の森」の理念と活動実績を紹介。「プロ野球80周年の今年、ようやく宮城県の海岸林で『プロ野球の森』をつくることができることは意義深く、喜んでいます」と挨拶しました。

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2009年からグリーンウェイブ活動に参加している宮城教育大学は、毎年5月22日は大学のキャンパス内で植樹活動を行っていますが、本年度は「東北復興・海岸林再生記念植樹祭2014」に参加しました。見上一幸学長は、同大学がユネスコスクール支援大学間ネットワークの一員として、全国700校あるユネスコスクールの持続可能な開発のための教育、いわゆるESDを支援していることを紹介しながら、防災教育などの観点からESDの重要性が増していると強調。そして、「被災地では、自分たちの手で自然を取り戻そうとの活動が広がっています。グリーンウェイブ活動に賛同し、力を合わせて豊かな自然を取り戻すことに大きな意味があると考えます」と話しました。

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「震災後は、持続可能な開発のための教育、いわゆるESDの重要性が増しています。ESDには防災教育なども含まれています。子どもたちが、自分たちが生活する地域の自然を理解していないと、正しい防災教育はできません。したがって、まわりの自然を良く知ることが大事です。被災地では今、自分たちの手で自然を取り戻そうとの活動が広がっています。海岸林再生もその取組みの一つです。我々はグリーンウェイブ活動に賛同し、力を合わせて豊かな自然を取り戻すことに大きな意味があると考えています。 傷ついた人々にとって、復興の過程で植物が生長し回復する姿を目にすることが、ものすごく励みになることが判りました。だから、海岸林の再生は、単に減災につながるだけではなく、心のケアの意味でもかなり大事だと感じています。裏を返せば、自分もしっかり生きなければいけない。やっぱり頑張って生きなくてはと、元気を与えてくれるのではないでしょうか。そんな印象を受けています。 根底は、我々人間は植物に依存して生きているということです。教育大学として、学生たちの経験を高める意味でも、海岸林の植樹活動等も通じて、土の中の微生物も含めて生物多様性の大切さ、自然の摂理が自然と分かるような感性を育ててあげたいと思っています。」(見上一幸学長 談)

午前10時に合わせて、代表の方々がスコップで穴を掘り、抵抗性クロマツを記念植樹。続いて、クロマツのほか、佐賀県の幼稚園児たちによって、宮城県から送られたドングリから育てられたコナラの苗を参加者全員で植えました。

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宮城教育大学で幼児教育を専攻する女子学生は、岩手県久慈市の実家が被災した当時の景色を思い出したといい、「自分たちがこれから向き合う子どもたちに、震災の体験と一緒に、植樹をする意味も伝えていきたい」と、思いを語っていました。また、宮城県農業高等学校の野球部員は、「震災から3年が過ぎて当たり前の日常が戻ってきましたが、その分、みんなの被災の記憶が薄れてきている。でも、今日は復興を応援する植樹に参加できて貴重な体験ができました」と感想を述べました。

閉会式では、仙台に本拠点を置く東北楽天イーグルスの広橋公寿ジュニアコーチが、「イーグルスは昨年、緑のユニフォームを着てから強くなりました。今日植えた苗が大きく育つよう祈りながら、今年の夏も緑のユニフォームを着て精いっぱい闘います」と力強く誓い、宮城県緑化推進委員会の森琢男副理事長は、「高校生、大学生を含めたボランティアの方の力を得て、『松林よ、甦れ』の思いが、まさにグリーンウェイブとなって広がっていくことを期待しています」と、海岸林への思いを伝えました。 植栽した苗は、今後、宮城県緑化推進委員会、名取市の団体「ゆりりん愛護会」が保育、手入れをしていきます。

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(*)グリ-ンウェイブ
〇国連が定めた「国際生物多様性の日」(5月22日)の現地時間午前10時に、世界中で、青少年等が植樹等の生物多様性への理解を深めるための行動を呼びかけるキャンペーンです。 〇このアクションが地球上を東から西へ波のように「緑の波」が拡がっていく様子から、「グリーンウェイブ」と呼んでいます。 〇わが国では、日本の気候風土を鑑みて、期間は3月1日より6月15日まで、活動例としては植樹のほか、森林や樹木等の保全・手入れ、森林や樹木等とふれあう活動等を含めて、呼びかけています。