レポート | 投稿日: 2014.03.31

3月16日「東北復興と海岸林再生」シンポジウム2014が開催されました。

(公社)国土緑化推進機構、(公社)宮城県緑化推進委員会の主催で、平成26(2014)年3月16日、海岸林再生の活動団体による取り組み情報を共有し、地域と企業、NPOなどとの協働による海岸林再生について考える「東北復興と海岸林再生」シンポジウム2014が、仙台市のTKPガーデンシティ仙台で開催されました。海岸林再生活動に関心を持つボランティア、企業、一般の皆さん約150人が参加しました。

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シンポジウムでは、太田猛彦氏(東京大学名誉教授/東日本大震災に係る海岸防災林の再生に関する検討会 座長)が特別講演を行い、津波による海岸林の被害状況などを説明。先人の海岸林造成に関する歴史をひも解き、ご自身が震災後に最初に調査に入った宮城県名取市には「愛林碑」があることを例に挙げ、「再生活動において、『強靱な森林』を造成することが求められる」ことなどを強調されました。

引き続き、「高田松原を守る会」の永田宗義氏が、震災前に発足、活動していた「高田松原を守る会」の取り組みについて紹介。震災後には各地からの協力も得て、苗木育てなどに取り組んでいる様子を発表しました。
「名取市海岸林再生の会」の鈴木英二氏は、仙台空港に隣接する名取市北釜地区で農業を営むメンバーが集まって会を結成した経緯を説明。(公財)オイスカの支援を得ながら、被災者と共にクロマツの苗木育成を事業として展開している状況を伝えました。
「いわきの森に親しむ会」の松﨑和敬氏は、震災後にNPO法人栃木環境未来基地と協力して海岸林再生整備に向けて活動を始めた経緯を紹介。小学校や福祉施設によるクロマツの苗木育て、個人・団体などからの寄付金など、さまざまな関わり、連携を得て活動している様子を報告しました。

パネルディスカッションには、団体の活動を報告した3氏に加えて、小金澤孝昭氏(宮城教育大学附属国際理解教育研究センター長/教授)、河野裕氏((公社)宮城県緑化推進委員会 事務局長)、久田浩司氏(株式会社 結デザインネットワーク 代表取締役)が登壇。竹田純一氏((株)森里川海生業研究所/農山村支援センター 事務局長)のコーディネートのもと、「地域と企業・NPO・学校等の協働で拓く、海岸林再生活動〜地域の暮らしと生業の復興に向けて〜」と題して、意見が交換されました。

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海岸林再生が必要な地域における課題や活動の方向性について、小金澤氏は、10年間継続している「木と共生した昔の暮らし」を体験する教育プログラムや「いぐね」(東北地方に残る屋敷林)を例に挙げ、子どもたちが木に接する暮らしを体験することで海岸林への関心を高める方法を提言。河野氏は、海岸林を植栽した後のメンテナンスについて、支援を希望する企業・団体と、長期にわたって継続的に保護管理を行う地元団体とのコーディネートを県緑化推進委員会が行い、「かつての海岸林保護組合の役割を果たしたい」と、活動団体を支援する意思を伝えました。久田氏はひとつの地域でも海岸林再生に向けた思いは一人ひとり違うことから、森づくりにおける唯一無二の「正解」はなく、多様な活動を認め合うことの重要性を指摘。その中で、次世代への「信頼」をベースに取り組みを進める地域にエールを送りました。

このシンポジウムの開催を通して、民間参加の意義や役割、地域コミュティや教育機関との連携の大切さが、参加者の心へ届いたことと期待されています。 また、会場のビルでは、海岸林の再生活動に取り組む団体のパネル展も同時開催されました。道行く人たちが立ち止まって活動の様子を伝えるパネルに興味深そうに見入り、チラシを手にする姿が多く見られました。