海岸林再生の方針・計画

海岸林の被害状況

東日本大震災による全体の被害状況

東日本大震災では、大規模な津波の発生により多くの人的被害をもたらし、自然災害において戦後最悪のものとなりました。海岸林も甚大な被害を受けました。青森、岩手、宮城、福島、茨城、千葉の6県にわたる海岸林の浸水面積は約3,660ha、被害を受けた海岸線の延長距離は約140kmにおよびます。このうち、海岸防災林においては平成24年1月24日現在、253箇所、被害面積約1,718haの甚大な被害が報告されています。

東日本大震災による全体の被害状況

各県の海岸林の概況と被害状況

県別の被災状況は以下のとおりです。(東日本大震災に係る海岸防災林の再生に関する検討会 平成24年2月報告書より)

  1. 青森県は、海岸林の浸水面積が613haであり、ほとんどが軽微な被害である。
  2. 岩手県は、海岸林の浸水面積が164haと6県のうち最も少ないが、その約6割が甚大な被害である。
  3. 宮城県は、海岸林の浸水面積が1,753haであり、そのうち甚大な被害となっているのは約4割であるが、750haと面積は大きい。
  4. 福島県は、海岸林の浸水面積が295haであり、その約7割が甚大な被害である。
  5. 茨城県は、海岸林の浸水面積が470haであり、ほとんどが軽微な被害である。
  6. 千葉県は、海岸林の浸水面積が364haであり、ほとんどが軽微な被害である。

特に岩手県、宮城県、福島県の3県の被害が大きいことがわかります。

各県の海岸林の概況と被害状況

海岸林再生の考え方

海岸防災林の再生においては、地域の防災機能の確保を図る観点から、飛砂・風害の防備等の災害防止機能に加え、津波に対する被害軽減効果も考慮した海岸防災林の復旧・再生が検討されており、林帯幅を確保することや、樹木の根系の健全な成長を確保するための盛土の実施、多様な樹種による植栽等が津波対策として有効であることが提言されています。

具体的には、被災箇所ごとに、被災状況や地域の実情、さらには地域の生態系保全の必要性等を踏まえて、再生方法を決定することとされています。

植栽樹種については、海岸の最前線は飛砂、潮風、寒風等の害に十分耐えうるもの、陸側は防風効果を高めるために保全対象に対し十分な樹高をもつものから選定する必要があります。

たとえば、海岸に近いエリアは、針葉樹ではクロマツ、アカマツ等、広葉樹ではカシワやトベラ、陸側は針葉樹ではクロマツ、アカマツ等、広葉樹ではカシワ、タブノキ、コナラといったように、多様な樹種が混ざり合うことで支え合い、森の機能を維持できるような樹種構成が考えられています。

望ましい海岸林再生イメージ模式図

海岸防災林

模式図 拡大版を見る(PDF)

海岸林再生計画

海岸防災林の復旧・再生は、地域の復興計画等と整合を図りつつ、防潮堤の復旧等海岸防災林の造成に必要な基盤造成を概ね平成27年度までの5年間で完了させ、基盤造成が完了した箇所から順次植栽を実施します。全体の復旧は、概ね平成32年度までの10年間で完了することを目指しています。

再生に当たっては、企業、NPO等の協力も得て植栽等を実施することが重要とされています。国有林においては「『みどりのきずな』再生プロジェクト」構想が発表され、平成25年春から、民間14団体の参画を得て、宮城県仙台市荒浜地区の約2haの海岸防災林再生活動がスタートしています。

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